深見まどか / Madoka Fukami

ピアニスト

深見まどか-プロフィール写真
©️Mai Toyama

 京都市に生まれ、宇治市で育つ。幅広い知識とレパートリーを持ち、東京オペラシティ『B→C』リサイタルやドビュッシーピアノ作品全曲リサイタルで注目されるなど、フランス近現代作品への評価が極めて高い。また、NHK-Eテレ『クラシック音楽館』では東京フィルと共演し、松平頼則《主題と変奏》のソリストを務めた。ピリオド楽器演奏から現代音楽新作初演まで多彩に活動し、フランスと日本の音楽を相互に紹介、その架け橋となる活動に継続的に取り組んでいる。

 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学音楽学部を経て、パリ国立高等音楽院修士課程ピアノ科・古楽科・室内楽科を審査員満場一致の首席で修了。在学中はADAMI、仏国立学術団体アカデミー・フランセーズなど数々の団体や財団から奨学金を受けた。エコールノルマル音楽院でコンサーティストディプロマを取得。ベルギー・エリザベート王妃音楽院ではアーティスト・イン・レジデンスを務めた。青山音楽賞新人賞、ロン=ティボー国際コンクール第5位入賞および最優秀ラヴェル作品演奏賞、ブゾーニ国際コンクールでファイナリストおよび最優秀現代音楽作品演奏賞、各受賞。

 シャンゼリゼ劇場、サルガヴォー、オルセー美術館、ポルト・カーザダムジカ、Bozar大ホール、Flagey Piano Days、インターラーケンクラシックス、パリ・ショパンフェスティバル、Les Pianos Folies、Pleyel Croissy、サントリーホールサマーフェスティバル、エラールピアノシリーズリサイタル(平野の家わざ永々棟・毎年開催)などで演奏。深い音楽的アプローチと無数の音色で国内外の聴衆を魅了している。リュリ、ジャダン、フォンタナ、ボエリー、モンジュルー、ケクラン、オベール、ピエルネ、サマズイユなどの知られざる作品や、邦人作品も積極的に紹介している。
 ソリストとしてパリ室内管、ポルト国立管、フランス・パドルー管、ベルギー王立ワロニー管、イルミナートフィル、東京フィル、芸大フィル、関西フィル等と共演。指揮者はエイドリアン・リーパー、フランク・ブラレイ、阿部加奈子、湯浅卓雄、西本智実、角田鋼亮、藤岡幸夫らと共演。

 ラジオフランスFrance Musique、NHK-Eテレ、RTBFラジオ、スイスSRFテレビ、NHK-FM、France 2テレビなどメディア出演多数。京都新聞「日本人の忘れもの知恵会議」、『フィガロジャポン』私とパリ号に寄稿。現代音楽の分野において、様々な初演を手掛ける。2023年には、フィリップ・エルサンの世界初演作品を含むリサイタルをパリ・コルトーホールで開催。同年、いずみシンフォニエッタ大阪第50回定期演奏会に出演し、CD《華開世界/西村朗管弦楽作品集》(カメラータ)に収録されている。2020年に美術家・大舩真言と作曲家・坂田直樹と行なった《Depth of Light 美術×ピアノ×現代音楽》では、坂田の同名新作を世界初演。フランス初演の模様はラジオフランスでも放送された。サントリーホールサマーフェスティバルでは、エミリオ・ポマリコ指揮クラングフォルム・ウィーンと共にヨハネス・マリア・シュタウト作品を日本初演。クラシックキャラバンでは、北爪裕道作曲《ポリグルーヴ~3人のピアニストのための》を世界初演。

 ソロCD《ドビュッシー12の練習曲/ラヴェル:鏡》《ヴィルトォーゾ》(Passavantmusic) はともに『レコード芸術』特選盤に、日仏の現代音楽作品を収録した最新盤《間の礼讃》は『音楽現代』推薦盤、『レコード芸術オンライン』推薦盤に選出された。

 2024年の東京オペラシティ『B→C』シリーズリサイタルは、『音楽の友』誌にて「作品の根底にある意図と創意を際立たせるすさまじいピアニズムの応酬に慄然とする。未恐ろしい」と評された。

 現在はエコールノルマル音楽院、および大阪教育大学音楽表現コースにて後進の育成にも力を注いでいる。

所属マネジメント:東京コンサーツ